日本財団 図書館


 

土砂漏出防止対策は、一般に防砂シート工法が採用されているが、大水深における従来工法の問題点には長尺の防砂シートの展張作業の難しさ、大水深での潜水作業の安全性、防砂シートの強度的な問題などがある。本工法はこれらの問題を克服するものである。また、南本牧埠頭の外周護岸では地盤改良[SCP]に伴い、盛上り土砂が大量に発生しているが、この土砂は埋立地において軟弱な地盤となるだけではなく、埋立地の容量を大幅に減じるものとなる。本工法はこの不良土砂を有効利用し、埋立容量の増量化を図るものである。
本稿では継続して行われている本工法の概要と工事の実績について報告する。
1. 工法の概要
1−1 工法の特徴
PMC工法は、海上プラントで主に粘性士やシルトを主体とする浚渫土と添加材である固化材(セメント系or石灰系)を事前混合処理し、低強度の改良土を再び海底に直接圧送打設する方法である。
施工はプラント船上で揚土、混練り、圧送の一連作業を連続施工することで高品質な改良が可能となり、所定の場所にフローターによる配管あるいはトレミー管による打設を行う。改良土の利用方法としては、安定した地盤造成、護岸の裏込め材、マウンドの中詰め材や漏出防止工、廃棄物処理場の止水工、液状化の防止工、浅場造成など多目的に利用することができる(図−1参照)

226-1.gif

Fig.1 PMC Application

本工法の特徴としては、以下の点があげられる。
?浚渫土砂の減量化および有効利用が図れる。
?改良効果の発現が早く、早期に埋立地が利用できる。
?固化材の配合によって、必要な強度が確保できる。
?軽量(土圧低減効果)で、止水性、充填性の高い改良材である。
?オールインワンタイプの大型PMC船を用いることで、大規模、大水深施工が可能である。
?集中型の連続施工であるため、施工が簡易であり高品質(均質性)な改良が可能である。
?船上での施工管理システムを用いて、CRT画面上でビジュアルに施工管理が行える。
1−2 資工方法
PMC船を用いた一連の施工フローを図−2、系統図を図−3に示す。

226-2.gif

Fig.2 PMC Construction Flowchart

226-3.gif

Fig.3 PMC System Chart

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION